テーラーメイドのQi10シリーズは、ステルス2の後継モデルとして登場し、特に高弾道でまっすぐ飛ぶ特性があります。
しかし、一部のゴルファーからは「思ったほど飛ばない」という声も聞かれます。
そこでこの記事では、Qi10ドライバーの特徴や評価、そして飛ばない原因や曲がらないと感じる原因について、詳しく解説していきます。
Qi10ドライバーの特徴
Qi10ドライバーは、テーラーメイド史上最高の慣性モーメントを実現した画期的なクラブです。
主な特徴は以下の通り。
✅60層の軽量カーボンを使用し、フェース全体で高い反発力を実現
✅クラウン部分のカーボン使用量を97%まで増やし、大幅な軽量化を達成
✅軽量化で生まれた余剰重量を再配分し、慣性モーメントを向上
✅高い慣性モーメントにより、ミスヒットでも飛距離ロスを抑制
MAXやLSとの違い
モデル名 | 慣性モーメント | 寛容性 | スピン特性 | 対象 |
---|---|---|---|---|
Qi10 | 標準 | 中程度 | 低スピン | 幅広いゴルファー |
Qi10 LS | 中程度 | 高い | 非常に低スピン | 上級者(球筋調整を好む) |
Qi10 Max | 10,000以上 | 非常に高い | 低スピン | 幅広いゴルファー(方向性重視) |
Qi10 MAX LITE | 9,000以上 | 高い | 低スピン | スイングスピードが遅いゴルファー |
MAXモデルは最も寛容性が高く、LSモデルは低スピンで飛距離を稼ぎたいゴルファーに適しています。
標準的なQi10ドライバーは、幅広いゴルファーに対応できるバランスの良さが特徴です。
ステルス2との違い
Qi10は、ステルス2やステルスの優れた特徴を引き継ぎながら、さらに慣性モーメントを高めることで、より安定した飛びを実現しています。
特徴 | ステルス2 | Qi10 |
---|---|---|
ヘッド形状 | 洋ナシ型、小ぶり | 大きめ、丸形 |
重心 | やや浅め | 深重心 |
スピン量 | 少なめ | やや多め |
操作性 | 高い | 高い |
寛容性 | 高い | 非常に高い |
球のつかまり | 良い | やや良い |
打ち出し角 | 標準的 | やや高め |
慣性モーメント | 高い | 非常に高い |
クラブ長さ | 45.38インチ | 45.25インチ |
カーボン使用率 | 高い | さらに向上(97%) |
最も顕著な変化はヘッド形状です。
重心も、深重心化されたことにより、打ち出し角がやや高くなり、寛容性も向上しています。
慣性モーメントの増加は、ミスヒットに対する許容度を高めています。
スピン量に関しては、Qi10がやや多めになっていますが、これは球のつかまりやすさと関連していると考えられます。
操作性に関しては、両モデルともアスリート向けの高い性能を維持しています。
クラブ長さがわずかに短くなったことで、操作性が向上しています。
また、クラウンのカーボン使用率を97%まで高めたことで、軽量化と性能向上の両立が図られています。
使用プロ
✅スコッティ・シェフラー選手
- Qi10ドライバーを使用
- 2度目のマスターズを制覇
✅ローリー・マキロイ選手
- Qi10ドライバーを使用
- 欧州ツアーで優勝
★他モデル
✅山内日菜子選手・・・Qi10 MAX
✅永峰咲希選手・・・Qi10 MAX
✅トミー・フリートウッド選手
- Qi10 LS
- 欧州ツアーで優勝
✅コリン・モリカワ選手
- Qi10 MAX
- PGAツアー開幕戦で使用
評価
飛距離性能【9/10】
捕まり【8/10】
寛容性(ミスへの強さ)【7/10】
操作性【8/10】
打感【8/10】
- バランスが良く、目立った弱点がない
- 飛距離性能が高く、テーラーメイドらしい優秀さ
- 前モデルより優しくなった
- 上がりやすさが向上し、ヘッド形状の変化が顕著
- 前作のステルス2と比べて、アマチュアゴルファーにも使いやすくなった
- 捕まりが改善され、一般ゴルファーにとって扱いやすくなった
- 慣性モーメントが向上し、ミスに対する寛容性が増した
一方で、
- 前モデルと比べて劇的な飛距離アップは感じられない
- 価格が高め
といった意見もあります。
Qi10ドライバーが飛ばない原因3選と対処法
シャフトが合ってない
- ヘッドスピードが速い場合は、より硬めのシャフト(例:Xフレックス)を選ぶ
- ヘッドスピードが遅い場合は、柔らかめのシャフトを選択する
- スイングテンポが速い場合は、先調子のシャフトを試す(グラファイトデザイン Tour AD GCやフジクラ スピーダーNX ブラックなど)
- スイングテンポがゆっくりの場合は、中調子や元調子のシャフトを検討する
- 振りやすさを向上させるため、軽量シャフトに変更する
スイングの問題
体重移動がうまくできていない、またはインパクト時のフェース角が適切でない場合、飛距離が大幅に落ちる可能性があります
- インパクト時に体重が前足に乗るようにする
- フェース角が適切になるようにグリップやアドレスを確認する
- スイング練習で体の回転を意識し、ヘッドスピードを上げる
スピン量の過多
Qi10ドライバーは高打ち出し・高スピン傾向があるため、スピン量が多すぎる可能性があります。
- ロースピンシャフト(例:Diamana TB)に変更することで、手元調子のシャフトは弾道を低く抑えやすく、球が吹き上がりにくくなる
- ボールを高くティーアップすることで、インパクト時にフェースの上部に当たりやすくなる
- ドライバーのロフト角を小さくする(例:10.5度から9度に変更、カチャカチャ機能を使ってロフトを1度立てる)
以上のように、自分のスイングスタイルに合ったシャフトやロフトを選ぶこと、スイングフォームを改善する、また、クラブフィッティングを受けることで改善に繋がります。
ネック部分の弾道調整機能を使用してロフトを調整したり、インパクトテープを使用して打点を可視化することも効果的です。
Qi10ドライバーが曲がらない原因
Qi10は前モデルよりもミスに強く、曲がりにくい特性を持つドライバーとなっています。
以下が主な原因の特徴です。
ヘッド形状と重心設計
- やや後ろに長い洋ナシ形状
- 重心が後方に移動し、慣性モーメントが向上
- 打点のばらつきに対する寛容性が増加
- オフセンターヒット時の飛距離ロスを軽減
さらに、「インフィニティ―カーボンクラウン」の採用により、クラウン部分のカーボン使用量が増加しました。これにより生まれた余剰重量を再配分することで、重心位置の最適化と高い慣性モーメントの両立を実現しています。
低スピン設計
Qi10は「テーラーメイドらしい低スピンの強弾道が打てるモデル」として設計されています。
- サイドスピンの発生を抑制し、左右への曲がりを軽減
- 強い弾道を生み出し、風の影響を受けにくくする
- 飛距離の増加に寄与
ツイストフェース技術
Qi10には、テーラーメイド独自の「ツイストフェース」技術が搭載されています。
- フェース面に微妙な湾曲を持たせることで、オフセンターヒット時のギア効果を抑制
- インパクト時の弾道のバラつきを抑え、「飛距離」と「直進性」を高いレベルで実現
- 特にヒール側とトウ側のミスヒット時に効果を発揮
qi10ドライバーに合うシャフト
Tour AD VF
- 中間から先端の剛性が高く、左へのミスを防ぐ特性があります
- Qi10シリーズとの相性が良く、特にQi10 MAXとの組み合わせが◎
- 左に行きにくい安心感がありつつ、適度なしなりを感じられます
Tour AD GC
- 中調子で、捕まりが控えめなストレートからフェードバイアスの弾道が特徴です
- 高い安定性と操作性を持ち、高慣性モーメントの現代のヘッドとの相性が良いです
ジ・アッタス V2
- 癖のないしなりで万人向けの中調子シャフト
- スインガーもハードヒッターも対応できるオールラウンダーな特性を持っています
- 適度な捕まりによって初速が出て飛距離が出ます
まとめ:Qi10ドライバーが飛ばない原因は?ステルス2や他モデルとの違いも解説!
Qi10ドライバーの特徴と評価のまとめ
• テーラーメイド史上最高の慣性モーメントを実現した画期的なクラブ
• 60層の軽量カーボンを使用し、フェース全体で高い反発力を実現
• クラウン部分のカーボン使用量を97%まで増やし、大幅な軽量化を達成
• 高い慣性モーメントにより、ミスヒットでも飛距離ロスを抑制
• ステルス2と比べて、ヘッド形状が大きめで丸形に変更
• 深重心設計により、打ち出し角がやや高くなり、寛容性が向上
• バランスが良く、目立った弱点がない
• 前モデルより優しくなり、アマチュアゴルファーにも使いやすくなった
飛ばない原因と対処法
• シャフトが合っていない場合は、ヘッドスピードに合わせて適切なシャフトを選択
• スイングの問題(体重移動、フェース角)を改善
• スピン量が多すぎる場合は、ロースピンシャフトへの変更やティーアップの高さ調整
曲がらない主な原因
• やや後ろに長い洋ナシ形状と重心の後方移動による慣性モーメント向上
• 低スピン設計によるサイドスピンの抑制
• ツイストフェース技術によるオフセンターヒット時のギア効果抑制
Qi10ドライバーに合うシャフト
• Tour AD VF:左へのミスを防ぐ特性
• Tour AD GC:高い安定性と操作性
• ジ・アッタス V2:万人向けの中調子シャフト